スーパーの食肉売り場では、売り場の一番目立つところに「和牛」や「国産牛」と記載された牛肉が多く並び、その端の方にオーストラリア(豪州)産やアメリカ(米国)産の牛肉が並んでいます。
このような売り方から、多くの人は国産牛肉を購入し、消費していると思うかもしれませんし、多くの人は…
「国産牛・和牛が一番美味しい」
「輸入の牛肉は臭いし、まずい・美味しくない」
そのような印象があるかもしれません。
しかし、実際の国産牛の消費量は40%で、残りの60%が輸入牛肉です。
そんな輸入牛肉の内訳を見ると、オーストラリア産が40%でアメリカ産が14%と2強になっています。
この事から我々は外食や冷凍食品や惣菜や中食などで、牛肉を食べる場合、輸入牛(割合の高いオーストラリア産牛肉)が多いということです。
では、外食や惣菜、冷凍食品などで食べるオーストラリア産の牛肉が臭いと感じたりまずいと感じる事はあるでしょうか?
無論、味付けされていたり、それなりの調理方法で調理しているので、そんな事を思う方はあまり居ないでしょう。
しかし、日本の牛にもランクや等級があるように、オーストラリア産にもグレードや等級があり、それを知れば、実は日本の国産牛よりもスーパーで並んでいるオーストラリア産牛肉の方が、美味しく、かつ安く購入できるというコスパ抜群の食材であったりします。
そこで、ここでは、オーストラリア産牛肉のグレード(格付け)や特徴を解説していきます。
オーストラリア産牛肉のグレードは4つある
和牛に、AランクBランクCランクと等級、もしくはグレードがあるのと同様に、豪州産牛肉にも4つのグレードがあります。
このグレードの決め方は、肥育日数とB.M.S(Beef Marbring Standard)です。
(※BMSとは、日本で一般的に認知されている言葉で言えば、霜降りの等級の数字です。BMSは1から12まであり、TVなどで美味しいと言われていて、人気で高値のA5ランク和牛などはBMSの値が8から12等級の牛肉です。)
オーストラリアの牛で主な品種は、アンガス種、ヘレフォード種、ショートホーン種、マリーグレー種ですが、グレードと品種は関係なく、BMS(霜降りの等級)によってグレードが決まる所もあります。
グラスフェッドビーフ(通称:グラス)
グラスとは日本語いえば草や芝の意味であり、このグレードはその言葉の通り、牧草だけを食べて育った牛です。
- 脂肪が少なく赤身が多い
- 穀物(グレイン)をほとんど与えてないので超健康体
- 抗生物質や肥育促進剤の投与なし
- 脂の旨味はなく淡白な味わいでヘルシー
- 独特の風味
- 食感や弾力があり食べごたえがある
グラスフェッドビーフは、上記のような特徴があり、栄養価的には低脂肪、低カロリー、低コレステロールなので、非常にヘルシーです。
また、人の体からは作れないオメガ3脂肪酸やベータカロチンが多く、脂肪の燃焼に一役買う共役リノール酸などが多く含まれます。
ただし、独特の臭いや硬さから美味しくないとも言われていたりします。
オーストラリア産の牛肉が臭いとかまずいと感じる事があるのは、このグラスというグレードの肉を買って、そのように感じた方が多いからなのかもしれません。
味や食感や肉質からは、ダイエット中や筋トレが好きな人、食の安全性に関心がある人、健康に気を使っている人には向いています。
また、調理方法も焼肉やしゃぶしゃぶなどのシンプルな調理より、カレーやシチューに代表されるような煮込み料理に適しています。
ショートグレイン
- 肥育日数100日〜120日
- 霜降り具合は日本の等級で言えば1~2
- 抗生物質や肥育促進剤の投与があるものもある
- グラスフェッドビーフよりは脂身がありジューシー
- グラスフェッドビーフにある独特の臭みはない
- グラスフェッドビーフよりは柔らかい
ショートグレインはシンプルに言えば、グラスフェッドよりもほんのすこしだけジューシーになったお肉です。
グラスにある独特の臭いがない事、美味しさと価格のバランスが良く、コスパが良いので、煮込み料理はもちろん、大勢で行うBBQなどに大変適しています。
ミドルグレイン
- 肥育日数150日〜180日
- 霜降り具合は日本の等級で言えば1~2
- 抗生物質や肥育促進剤の投与があり
- 霜降りが見えるほど入っている
- 肉肉しさやジューシーさを感じる
- 臭みはない
- 十分柔らかいと感じるレベルの軟さ
ミドルグレインになれば、見た目も十分綺麗で、食欲をそそられるようなフォルムです。
牛肉の旨味や脂身の肉肉しさが好きな人にあうグレードの肉でしょう。
ロンググレイン
- 肥育日数200日以上300日未満
- 霜降り具合は日本の等級で言えば3等級と同等
- 普通の国産牛よりも美味しかったりする
- 脂身が美味しい
- 十分柔らかい
- 臭みはない
ロンググレインともなれば、国産牛よりも美味しく、値段もスーパーや肉屋によっては、それよりもちょっと安かったりします。
程よい肉感と適度な脂身が特徴的で、さっぱりお肉を食べたいとか脂っこい肉は嫌だけど、淡白すぎるのも嫌だという人には向いているでしょう。
まとめ
ここまで、オーストラリア産牛肉の特徴とその4つのグレードについて紹介しました。
上記でも軽く触れましたが、オーストラリア産の牛肉は全てがすべて、まずいとか臭いということもなく、グレードによっては国産牛よりも美味しいものもあったりします。
また、スーパーや精肉店等では、産地と部位だけでなく、そのグレードもしっかり表示しているお店もあります。
この事から、オーストラリア産牛肉の特徴をしっかり把握すれば、十分に美味しい牛肉を買うことができ、美味しく食卓で食べることが出来るので、この記事を参考にして、お肉を選んでみるのも面白いかも知れません。
それでは!